「fl」と「y」の間の何もないはずの空間

Joni Mitchell の River という大好きな曲を聴いていて、ふと思ったこと。この曲は静かだけど情熱的なピアノの伴奏でジョニミッチェルが美しい声で歌い上げる歌。

I wish I had a river so long I could teach my feet to fly

ここを歌うとき、最後の「fly」で一番高い音が出るし、気持ち的にも一番盛り上がる。「fly」の一単語で美しい歌声でのこぶしっぽい感じになるのだが、その音程を点で表すと、

ふらああああい

     ・

    ・

・  ・

  ・

というような感じになる。このときに、「fly」の「fl」のは先に発音してしまっていて、「あ」の発音で伸ばしてこぶし的なものをしているのだが、最後に「あい」と締めるので「y」の発音は最後に来ていることがわかる。ではこの「fl」と「y」に挟まれている「あ」の伸ばす音はなんなんだ。アルファベットでみると、そこで伸ばされるべきアルファベットは「l」であって、「flllllllllllllly」となるはず。日本語は子音と母音が合わさって一文字なので「ふらい」という歌詞だと中の「ら」という文字の母音である「あ」を伸ばして「ふらあああああい」となるのだが。だからアルファベットの「fly」を見ると「fl」と「y」の間の何もないはずの空間を伸ばしている、というなんだか不思議な気分になった。