写真で止めるパラレルワールド

イラストを紙に描いてスマホでそのイラストの写真を撮る。撮った後に紙の方に何かを描き加えることがある。描き加えた後で先に撮った写真と見比べると、写真の中には最後の付け足しをしなかったらそうあったであろう姿が残っている。

最近は今から何か付け足そうという時に、やりすぎて過剰になってしまって何も付け加えなかった方がよかったと思った時のためにあらかじめ写真を撮っておくこともある。

パラレルワールドは「もしもこうだったらどうなっていたのか」という、今の現実とは別の現実。写真に撮った段階でそれ以上描き足さなかった場合の絵とその後に何か描き加えたという場合の絵。今、もしかしたらあり得たけどそうではない別の未来の可能性。この、絵を描き足さなかった場合という未来が写真に保存されていることは、パラレルワールドがある意味で可能な世界を垣間見せてくれているのではないかと思い浮かんだ。

もし写真を撮っていなかったら書き足した事は不可逆的であり、実際に過剰になってしまって何も付け加えなかった方がよかったと後悔してももう遅い。絵の写真を一旦撮った後でバンバン絵を書き足してもいいし、まだ何か描く事は出来るけど、余白を残したままで完成したことにすることも出来る。パラレルワールドではこの絵は余白が残った形で完成形になっているかもしれないし、バンバン絵が描き足されているかもしれない。

そんな感じでパラレルワールドの入り口って意外と身近なところにつるっとあるのではないかと思う。っていうような不思議なような、なんでもないようなことを考えてみたり。

絵の途中段階で、写真を撮る代わりにコピーしておいても同じことができるな。途中段階のコピーと、さらに絵を描き加えたものの二枚の絵を同じ額縁に入れて、全く同じ内装の部屋の同じ場所に置いたらミニ仮想パラレルワールドができるな、、、?