記憶の消化

日記を毎日つけていると、たまに何日か書けない日があったり、書き忘れたりすることがある。そんな時に何日分かの溜めてあった日々の出来事をまとめて書くことになると、未消化だったものをやっと消化できるみたいな気分になる。

自分が書いた日記を、1年後とか、2年後、数年後に見返したら、そういえばこんなことあったな、と忘れてたことを思い出したりする。あるいは、読んでもぼんやりとしか思い出せないこともある。日記に書かなければ忘れるだろうなっていう日々の出来事がいっぱいだ。そういう意味で日記に書き留めることはは記憶を記録しておく、自分にとってとても大切な作業。

でも日記に書いたとしてもそれを書いた日記を見直さないと絶対に思い出さないことってある。そう思うと文字に起こしている一瞬はその1日を思い出して書いてはいるけど、後からはその日記を見返さなければ過去は思い出せない。もしも日記がどこかに埋もれちゃったらそれとともに過去を見返せることもできなくなると考えると儚いものなのだな、とたまに思う。

あと、文字にすることによって日々の記憶、思い出を消化するみたいになって、より、自分の中から消えてしまうってことはないかしら。その1日が日記に書いたことだけに集約されてしまって、書いたこと以外の些細な物事が切り捨てられてしまう感じ。日記を書くということもその1日の出来事の合理的な取捨選択なわけだから。書かない方が曖昧で淡いけど1日の記憶がそのまま残ったりすることもなくもなかったりて思わなくもなかったり。

友達にこのむわむわした感じを伝えてみると、好きな人の好きなところを聞かれた時にうまく言葉にできない上に、言葉にしてもそれだけではないしなんか違うな、て思う時みたいだって言ってくれた。確かにちょっと似てるかもしれない。