時間くゆらせる

1日に一本も吸わない煙草。

ニコチン中毒ではないし、1日に何本も吸うわけでもない。ふとタバコを吸いたくなるときに吸う。たばコミュニケーションは求めてないし、人と喋りながら吸うわけではなく、なんなら家で、誰もいない一人の時間で静かに吸いたい。

強いて言うなら、何か流れて行くものを求めて吸うのだと思う。感情が高まってる時でも落ち込んでる時でも、共通してるのはぐるぐるしてるとき、停滞してるような時に吸いたくなる気がする。溜まってしまったものをガス抜きをする感じに、息をふうとはくことが重なる。口から白い煙が出て行って外気に、空に、風景に溶けて混じって行くのを見ることに何か浄化作用があるのかもしれない。過呼吸になった時も息を吐くことが大事って言うけど、人間息を吐くことって大事で、それを意識せず意識できる。

煙がくゆって行くのを見るのは結構好き。前にも、洗い物をしているときなど、水の流れに接している時には夢を思い出したり、ふと何かを考えつくことがあると語った気がする。煙が自由に泳ぐように流れて行くのは、そんなのに似た感じ、でもそれよりも暗くて夜の感じが強いものなのかもしれない。

息を吸って吐くと言う動作も関係すると思う。息をすることを思い出すような、息ができるってことを思い出すような、そんな感覚。リメンバートゥーブリーズアゲン。小さい時に見た夢を思い出したんだけど、夢の中で自分は水中にいて、息を止めてるけど、「まって、ここなら息が吸えるっけ」と思って、鼻から吸って見たら「え、私、水中でもそういえば息できたやん」って気づく、みたいな、そんな感じ。(これって胎児の時の、羊水の中での記憶が意識に浮かび上がってきてる夢なのかな。)それでその感じは、そういえばそんな夢を子供の時に見たなってことを、タバコを吸ってたらふと思い出したりするっていうようなこととそのままつながる。その時に頭の中を占めていることのどこと繋がるとも繋がらないようなゆるりとした記憶や、はっきりとではなくて煙のように薄いような感覚を思い出したりする。

流すっていうのと矛盾するかもしれないけどずっと先に先にって急いでいるのを少し一休みする時間に逃れる感じ。でも、ただ逃げてはぐらかすんじゃなくて、時間をくゆらせる。停滞中の思いや考えを前のめりに流すんじゃなくて、意識しなくなって、それで知らぬ間にちょっと流れて行く。煙草をふかして、ぼーっと休められてるとしたら、それはそれで大事なんだと思う。

て言って、そんないつも息できないほど詰まってるわけでもないんだけど、ただ流れるものに触れたいと言う気持ちがたまに来るんだと思う。

 

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ちょっとたばこについて前に触れてた

 

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