「メイクセンス」しないアルバム

知人の意外な一面を知ってびっくりした時、意外性がその人の今まで見てきた部分に対して「へー」となんとなくしっくりくる場合や、全くもってしっくりこず、いままで自分の中にあったその人の人格図から飛び出しているように思えることもある。

自分について自己紹介をする時、名前を言って出身や仕事を言って、そのあとに趣味やマイブームをいう時って大体いうこと決まってる。でも実はそこで言ったこと以外にもあると思う。自分が他の人よりも愛を注ぐ小さな小さなニッチがあって、それは小さくても完全に自分を他人とは違う自分にしている一部。

そんな、自分を自分として際立たせてくれているものが自分の中にあって、さらに自分の構成要素となっている。でもそれらはあまり普段の自分と連関性がなかったり、それこそ他人にとっては驚きだったりする。「だずいっとめいくせんす?」理にかなっているかと言われるとそうではないかもしれない。「めいくせんす」していない一部かもしれない。

自分を作っているオリジナルな特性の個々はあまりにいろんな方向に向かっていて自分でもわからなくなることがあるかもしれない。この特性はどこからきたんだろう、この趣味は?って。まあそんなに深く考えてるわけでもないんだけど。

わかりやすく「ああこういう人、」ってわかる趣味の連なりだったり、がんとした強い特性な人もいる。でもみんなそういうわけではなく、持ってるのは小さな弱い特性だから、しかもそれがあっちこっちに向いているものだから、自己紹介の時とかに忘れちゃうわけで。わからなくなるわけで。

いろんな曲が入ってる一つのアルバムみたいかなって思う。全てが繋がっているわけでもなくて、全てが「めいくせんす」してるわけでもない。一つの曲のどっか一箇所だけ他の曲のどこかと同じ単語が出てきたり、少しだけメロディが似てたり。そしてそれらがパッチワークみたいに集まって、ちょっと激しい曲とか、変な曲とかも混じって、個々のシングル曲だったらバラバラ感はあるものの何と無く一つのアルバムとしてまとまっている、っていう。んでアルバムだから強くて、あんまり好きじゃない曲とか、存在感が薄い曲とかもあるけど、それがあってこその一アルバム。